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Animoca Brands投資家向け情報 (2024年第1四半期)

※本資料は、Animoca Brandsが2024年7月10日付で発表した「Animoca Brands investor update for the quarter ending on 31 March 2024」を日本語訳しています。

Animoca Brands Corporation Limited(以下、「Animoca Brands」)は、2024年3月31日に終了する3ヶ月間(以下、「2024年第1四半期」)の主要な財務および事業ハイライト(未監査)を報告いたします。

これらの業績には、The Sandbox、TinyTap、Darewise Entertainment、nWay、Eden Games、Blowfish Studios、GAMEE、Pixowl、Forj、Grease Monkey Games、Motorverse (旧名:REVV Motorsport)、Crazy Defense Heroes (TOWER) を含む(ただしこれらに限定されない)Animoca Brandsの主要事業部門からの貢献に加え、Web3サービスの収益、ポートフォリオ投資およびパートナーシップから生じる収益が含まれています。

2024年3月31日時点の主な財務ハイライト(未監査、非IFRS指標)

・ 2024年第1四半期のBooking(1)は9,000万米ドル(2023年第1四半期は5,200万米ドル)で、72%の増加。当期には以下が計上されています。

  • デジタル・アセット・アドバイザリー(DAA)からの6,500万ドル(トークンのアドバイザリー、トレーディング、ブロックチェーン・ノード業務からの手数料を含む)
  • Web3オペレーティング事業:Animoca Brandsがインキュベートした子会社およびプロジェクト(トークン販売、NFT販売、アプリ内購入、その他の非ブロックチェーン販売を含む)からの1,900万ドル
  • 投資・運用事業からの600万ドル(デジタル資産投資からの実現利益およびAnimoca Venturesからの手数料を含む)

・ 第1四半期の売上高の80%は、アニモカ本社が推進するデジタル・アセット・アドバイザリー(DAA)事業およびその他のプロジェクトによって達成されました。

・2024年第1四半期の営業費用は5,500万米ドルで、2023年第1四半期の6,400万米ドルから14%減少しました。

・ 2024年3月31日時点の資産残高は、過去の発表(2024年4月17日発表参照)で報告済み。便宜上、以下にその残高を記載します。

  • 現金およびステーブルコイン残高2億9,100万米ドル(2)。
  • 流動性のある第三者デジタル資産5億5,800万米ドル(売却可能資産2億7,800万米ドルと、貸借対照表に計上されている主要なUnvestedトークン2億8,000万米ドルで構成)。貸借対照表に保有されている主な流動性のあるトークンには、ETH、APE、EDU、BTC、MATICが含まれ、これらのトークンはAnimoca Brandsの売却可能なデジタル資産全体の約81%を占めています。主なUnvestedトークン残高は、主にPIXELの未実現評価益によるものです。
  • オフバランスのトークン準備金は18億米ドルで、Animoca Brandsが過半数を所有するWeb3子会社が発行したトークンから構成されています。具体的には、SAND、EDU、ASTRAFER、QUIDD、PRIMATE、REVV、TOWER、GMEEなどのAnimoca Brandsトークンが含まれます。

・ 450社以上の投資先企業へのマイノリティ投資。

注(1): 「Bookings」は、Animoca Brandsの総売上活動を表す非IFRS指標であり、ゲーム業界の企業が経済的パフォーマンスをより効果的に表すために一般的に使用されています。これは、損益計算書に反映される収益と貸借対照表上の負債である繰延収益を組み合わせたAnimoca Brandsの総売上活動を表しています。繰延収益は、まだ獲得していない売上に対する代金の受取を表す会計概念です。一般的に、ゲームやアプリケーションでのデジタル資産の販売に適用されます。会社はこれらの売上に対して代金を回収していますが、将来的にこれらのゲームやアプリケーション内でサービスを提供する義務があるため、損益計算書上では収益として認識することができません。今後、サービスが提供されるにつれて、繰延収益が収益として認識されます。

注(2): Animoca Brandsの支配下にある子会社The Sandboxにおけるトークン取引の実現益により、現金およびステイブルコインの残高は2023年12月31日時点の175百万ドルから2024年3月31日時点の291百万ドルへと大幅に増加しました。これらの取引による利益はAnimoca Brandsの現金残高に影響を与えますが、Bookingに表示されるコア営業利益には含まれません。

ビジネスモデルの更新

Animoca Brandsは、世界中のインターネットユーザーにデジタル所有権を提供し、それによって新たな資産クラスを創造することを通じて人々の生活を向上させるより公平なデジタルフレームワークで、新たな経済を構築するというビジョンを拡大し続けてきました。当初の戦略では、ゲーム分野の発展とエコシステムへの投資に重点を置いていましたが、直近1年半の間に、Animoca Bradsはワールドクラスの人材を獲得し、より多角的かつ戦略的な方法でビジョンを実現することが可能となりました。現在のAnimoca Brandsのビジネスモデルは、互いに相乗効果をもたらす3つの主要な事業の柱で構成されています。

1. デジタル・アセット・アドバイザリー(DAA)事業

Animoca Brandsは、トークンやNFTの市場投入を検討しているデジタルアセットプロジェクトのためのサービス一式を提供しています。サービスには、トークノミクス設計、スマートコントラクトアドバイザリー、取引所上場サポート、ローンチ戦略、分散型自律組織(DAO)セットアップ、ノード運用、流動性プロビジョニングなどが含まれますが、これらに限定されません。2022年度にはDAAがAnimoca BrandsのBookings総額の約25%を占め、2024年第1四半期にはDAAが約72%を占めました。現在、DAAサービスのパイプラインには150以上のプロジェクトがあります。DAA の収益は主にアドバイザリー料(トークン)とトレーディング料から得られ、不安定な市場環境下でもAnimoca Brandsのビジネスモデルに多様性と回復力をもたらします。

2. Web3オペレーティング事業

2018年以降のAnimoca Brandsは、Animoca Brandsとその子会社、およびその投資を通じて、Web3アプリケーションおよびプラットフォームを構築することを重要な目標の1つに掲げています。The Sandbox、Mocaverse、Tinytap、Anichessなどのプロジェクトは、ゲーム、メタバース、AI、教育、デジタルアイデンティティなどの分野にまたがるWeb3プロダクトとプラットフォームを開発しています。2024年第1四半期において、Animoca BrandsのWeb3オペレーティング事業は売上高の約22%を占めています。当事業の収益は、主にトークンやNFTの販売、プラットフォーム内の取引を通じて得られ、アプリケーションやプラットフォームの立ち上げ時に集中する傾向があります。

3. 投資・運用事業

Animoca Brandsは2018年からWeb3テクノロジーに投資しており、この戦略によりAnimoca Brandsは業界の深い専門知識を得ることに大いに役立っています。2024年第1四半期のポートフォリオには、Animoca Brandsのバランスシート、ベンチャーファンドAnimoca Ventures、さまざまなアクセラレーターのパートナーシップからの投資を含め、450件以上の投資があります。投資運用収益は、Animoca Venturesからの管理手数料、トークンの売却、およびAnimoca Brandsのポートフォリオのエクイティポジションからのエグジットによって得られます。

DAA事業は、Animoca Brandsの投資・運用事業およびWeb3オペレーティング事業から派生して、より深くWeb3エコシステムに参入するために開始した事業です。現在、DAAのパイプラインにあるプロジェクトの大半は、Animoca Brandsの投資ポートフォリオおよび関連企業・プロジェクトにおける450以上のマイノリティ投資案件であり、実現利益に加えポートフォリオからのさらなる収益が期待できます。また、オペレーティング・ビジネス、さまざまなパートナーシップや活動を通じて、DAAや投資の機会を提供しています。

これら3つの柱に加え、第4の柱としてAnimoca Brandsは、サウジアラビアのNEOMとの提携(2023年10月30日発表参照)をはじめとした、より大規模な機関向けのWeb3およびブロックチェーンアプリケーションを2024年後半開始を目指して開発しています。また、Animoca Brandsは、ステーブルコインや分散型物理インフラネットワーク(DePINs)の取り組みも進めています。

2024年3月31日時点の主な事業ハイライト

デジタル・アセット・アドバイザリー(DAA)事業

2024年第1四半期、DAA事業はBooking総額の72%を占めるAnimoca Brands最大の収益貢献事業。当期、Animoca Brandsは、Farcana (FAR) 、Pixels (PIXEL) 、zkSync (ZK) を含む注目すべきトークンプロジェク トへの投資とサポートを行い、15以上のプロジェクトに取引サービスを提供し、TONやRONINを含む17のプロ ジェクトでノードオペレータを務めました。

Animoca Brandsが顧客やパートナーに提供するWeb3に関する豊富な専門知識を鑑みると、Animoca Brandsが投資した450以上のWeb3プロジェクトの多くは、DAAにとって将来のビジネスソースとなり得るものです。2024年第1四半期末には、市場のセンチメントと活気の回復に牽引され、DAA事業として150件以上の取引機会を持ち、強力なパイプラインを構築しました。

MocaverseとMoca ID

Mocaverse プラットフォームは、Animoca Brandsの子会社、プロジェクト、投資先企業、パートナーのエコシステムを活用し、最大のWeb3ゲームパブリッシングプラットフォームを構築することを目的としています。Mocaverseの参加者は、ゲームにアクセスしたり、その他のオンチェーン活動に参加したりすることで、Realm pointやパートナーから提供されるインセンティブを獲得することができます。2024年第1四半期におけるMocaverseの主な実績は以下の通りです。

-2023年に導入されたMoca IDは、Animoca Brandsのエコシステム用のオンチェーンDID(decentralized identifier)です(プロジェクトの背景については、Moca IDのMediumページをご覧ください)。2024年第1四半期末時点で、Mocaverseは新規ユーザー向けに150万件のMOCA IDを作成し、前四半期から500%増加しました。

-Mocaverseは、世界的なデジタル資産取引所であるOKXおよびKuCoinと新たなパートナーシップを締結しました。これらのパートナーシップを通じて、各取引所は15万人以上の新規ウォレット顧客を獲得し、Mocaverseのエコシステムの魅力が広く知れ渡りました。Mocaverseの参加者は、ゲーム化された「ミッション」に参加し、Realm pointを獲得し、Animoca Brandsのパートナーとのエンゲージメントを構築しました。

-Pixelmon、Param Labs、XIONとユーザーアクティベーションパートナーシップを締結し、Moca IDとMoca NFTのホルダーにトークンのエアドロップを実施。

-分散型クラウド・コンピューティング・プラットフォームAethirと提携し、Aethirの初期ノード提供をサポート。Moca NFT保有者は760ノードの専用プールにアクセスするため、760のホワイトリスト・スポットに登録。AethirはゲームとAIのための分散型クラウドインフラを構築しており、2024年6月にユーティリティトークンATHのローンチに成功しました。Aethirは現在、20万人以上のユーザーが23以上の場所でノードを運用しています。

Open CampusとOpen Campus ID

Animoca Brandsは、教育セクターが直面する重要な課題に取り組むことを目的とした分散型プラットフォーム「Open Campus」のインキュベーターであり、ローンチパートナーです。このプロジェクトの当期の主な進展は以下のとおりです。

-Open Campusは1月、学習者のオンラインペルソナを仮想的に表現した譲渡不可能なブロックチェーン・プロトコル「Open Campus ID (OC ID) 」を発表しました。2024年3月末までに10万を超えるOC IDが申請され、Open CampusのWeb3教育プロトコルの普及に大きな一歩を踏み出しました。OC IDの目標は、教育体験を向上させ、学習者が教育データを管理できるようにすることで、世界中の学生、教育者、教育機関に力を与えることです。このプロトコルは、Open Campus Allianceに参加する学校やその他の教育機関の学習システムと統合され、各OC IDにリンクされた学習者プロファイルによって可能になるプライバシー保護された方法で、オンチェーンで検証可能な証明書の発行を可能にします(OC IDの詳細については、2024年1月24日2024年3月18日の発表を参照してください)。

-2月、Open CampusとAnimoca BrandsはForbes Web3と共同でOC100を開始しました(2024年2月1日の発表を参照)。OC100は、Web3のトップ教育者やソートリーダーを発掘するコンペティションで、受賞者にはForbesで紹介されたり、Animoca Brandsが主催するOC100イベントでWeb3のトップイノベーターと交流したり、Open Campusの製品にいち早くアクセスしたりする機会が提供されます。

Anichess

Anichessは、Chess.comおよび5度のチェス世界チャンピオンであるMagnus Carlsenとの提携により開発されたチェスベースのオンライン戦略ゲームです。

アニチェスは1月に、プレイヤー対環境(PvE)のデイリーチェスパズルを開始(2024年1月16日発表参照)以来、100万人以上の登録プレイヤーと15万人のデイリーアクティブユーザーを確保し、合計5,000万問以上のチェスパズルを解いてきました。

3月11日、Anichessは、、シーズン1のLeaderboardを発表しました。Leaderboardは、デイリーパズルを解いたり、ゲームプレイやソーシャルイベントへの参加を通じて得た「Orbs of Power」を集めることで貯まるポイントの保有量に基づいて作成されています。

GAMEE

Animoca Brandsのゲームスタジオおよびカジュアルゲーム・プラットフォームであるGAMEEは、2016年にTelegram Messengerのグローバルゲームローンチパートナーとなって以来、著しい成長を遂げています。2024年第1四半期にかけて、GAMEEはTelegramでの事業を拡大し続け、WATプロトコルを開発する一方、現在9億人のユーザーを抱えるTelegramのプラットフォームにWeb3ゲームを統合することに取り組みました。現在、GAMEEはTelegramを通じて大きな流通を構築し、The Open Network(TON)でWATプロトコルを開始し、毎日のアクティブユーザー数が300万人を超え、ソーシャルメディア上のアクティブフォロワー数が500万人を超えました(詳細については、GAMEEの2024年第2四半期の更新情報をご参照ください)。

グローバル展開

Animoca Brandsは3月、サウジアラビア王国におけるWeb3およびゲームのエコシステムを推進するために協力するため、アブドゥルアジーズ科学技術都市(King Abdulaziz City for Science and Technology:KACST)と覚書を締結しました(2024年3月11日発表参照)。1977年に設立され、以前はサウジアラビア国立科学技術センターとして知られているKACSTは、科学技術の発展を促進し、サウジアラビア王国の様々な科学機関の連携を促進することを任務とする独立政府機関として運営されています。このパートナーシップの下、Animoca BrandsとKACSTは、サウジアラビアにおけるWeb3エコシステムとゲームエコシステムの発展を戦略的に推進するために協力し、首都であるリヤドに物理的なWeb3ハブを設置し、この地域におけるWeb3スタートアップとブロックチェーン技術のインキュベーションを行います。

また、Mocaverseは、K-POP、デジタルIP、GameFiなどの主要分野におけるマルチパートナー活性化計画を通じて、韓国のWeb3文化を橋渡しし、統合し、輸出するために、韓国市場におけるMocaverseパートナーネットワークの戦略的拡大のための様々なパートナーシップ契約を締結しました。

ソート・リーダーシップ

2024年1月、メタバースとWeb3に関するイギリスの全政党議会グループは、Animoca Brandsの投資担当CEOであるRobby Yung氏とThe Sandboxの共同設立者兼COOであるSebastien Borget氏を招き、Web3とメタバースの発展におけるゲーム業界の役割について発表しました。Yung 氏は、2023年3月にも同議員団と意見交換を行っています。また、Yat Siu会長は、香港特別行政区政府が設立した「Web3発展促進タスクフォース」のメンバーとして、同地域におけるWeb3の持続可能で責任ある発展に向けた提言を行っています。

資金調達活動

The Sandboxは、KingswayやAnimoca Brands、TGV、LGグループなどの機関投資家から、2年満期・年利10%の転換社債2,000万米ドルを調達。この調達は今年第1四半期に終了しました(2024年6月6日の発表参照)。

以下の画像は、上記の情報および図表の補足説明です。

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20240712Q1-3

20240712Q1-4

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